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共同研究が学術雑誌「Cortex」誌に掲載されました。
情報更新日:2021.06.24
国立障害者リハビリテーションセンター研究所の河島則天神経筋機能障害室長、高村優作研究員、同病院の大松聡子作業療法士、畿央大学の森岡周教授、当院の藤井慎太郎理学療法士らの研究グループは脳卒中後に生じる「半側空間無視」の症状や回復過程を捉えるための新しい臨床評価手法を開発し、多施設による共同研究で検証した成果を論文発表しました。
半側空間無視というのは、脳卒中などの脳損傷後に生じるもので、片側の空間への注意が向きにくくなり、あたかも無視をしているような振る舞いを示す症状です。これによって食事の片側を残してしまったり、歩いていて片側にぶつかってしまうといったことがあり、それに気づくことも困難となる特徴的なものです。
本研究では、この共同研究では、開発された評価手法を用いて、半側空間無視の回復過程の特徴づけを行い、症状の特性把握を行った内容となり、今まで対応が困難であった脳卒中後の注意障害(無視症状)のリハビリテーションに大きく貢献することが期待されます。
国立障害者リハビリテーションセンター研究所からのプレスリリースはこちらをご参照ください。
<論文情報> Takamura Y, Fujii S, Ohmatsu S, Ikuno K, Tanaka K, Manji A, Abe H, Morioka S, Kawashima N*.
Interaction between spatial neglect and attention deficit in patients with right hemisphere damage. Cortex 141: 331-346, 2021. DOI: https://doi.org/10.1016/j.cortex.2021.03.036